ChatGPTのプロジェクトを仕事で使う方法|毎回同じ指示を繰り返さない練習
毎週、イベント案内の文章をChatGPTに頼むとします。「日付を先に書く」「やさしい日本語にする」「未確定の情報を補わない」。毎回同じ条件を入力するのは面倒ですし、忘れる日もあります。そんなときに使えるのがプロジェクトです。
この記事では実在する会社・顧客・個人の情報を使わず、架空の「青空商店の週末催事」を題材に、プロジェクトの作成から確認まで進めます。画面や機能の表示はプラン・アカウント・時期・ワークスペースの設定で異なる場合があります。以下はOpenAIの公式ヘルプを2026年9月25日に確認した内容です。
1. プロジェクトは「同じ仕事の資料と会話を置く場所」
普通の新しいチャットでは、前回どんなルールで文章を作ったかを探して説明し直すことがあります。プロジェクトは、関連するチャット・ファイル・プロジェクト指示を一つにまとめる機能です。プロジェクト内で新しい会話を始めれば、そのプロジェクトの指示を使って同じ仕事を続けられます。
ただし、設定しただけで毎週自動的に文章が作成されるわけではありません。この記事で扱うのは、定期業務の依頼条件をそろえる方法です。自動実行・自動送信の機能の説明ではありません。
2. 架空の催事案内用プロジェクトを作る
まず左側のサイドバーで「新しいプロジェクト」(英語表示なら New project)を選びます。名前は「青空商店|催事案内の練習」にしましょう。アイコンや色を選んで作成します。サイドバーが閉じていたら開いてください。
プロジェクトを開いたら、メニューの「…」からプロジェクト設定を選び、指示欄に次の文章を登録します。画面の日本語名は変わることがあるので、「Project settings」などの表記でも探してください。
架空の青空商店の催事案内を作成します。最初に日時と場所を示し、そのあと内容と参加方法を書く。中学生でも読みやすい短い文にする。入力されていない日時・場所・費用・連絡先は作らず、「未確認」と明記する。実在の人名、会社名、連絡先を勝手に加えない。
保存できたら、設定を閉じます。公式ヘルプでは、プロジェクト指示はそのプロジェクトの中だけで適用され、アカウント全体のカスタム指示より優先されると説明されています。この練習では架空の設定だけを入力し、本当の顧客リストや社内資料はアップロードしません。 練習の文章と確認項目は無料実践ファイル(テキスト形式)にもまとめています。ファイルをアップロードしなくても、文章をコピーするだけで練習できます。
3. 二つのチャットで同じ条件が使えるか確かめる
プロジェクト内で新しいチャットを開き、次の依頼を送ります。
青空商店が2026年10月10日(土)13時から駅前広場で開く、架空の手作り市の案内を120字程度で作ってください。参加費と連絡先はまだ決まっていません。
出力に「日時→場所→内容」の順番があるか、参加費や連絡先が創作されず「未確認」となっているかを自分の目で点検します。2026年10月10日と17日はいずれも土曜日です。案内を人に渡す際には、日付と曜日を再確認してください。
続いて同じプロジェクト内の別の新しいチャットで、次を送ります。
来週の架空のワークショップ案内を100字で作ってください。日時は2026年10月17日(土)13時、場所は駅前広場。費用は未決定です。
ここでは「やさしい短文」「日時と場所を先に」「不明な費用は未確認」の条件を再入力していません。それでも出力が設定したルールに沿うか確認します。もしルールが抜けたら、プロジェクト内でチャットを始めたか、指示が保存されているかを確かめ、指示を短く明確に直します。AIの出力は毎回同一とは限らないため、最終確認は省けません。
4. 参考資料を追加する前に考えること
プロジェクトには資料ファイルやテキストを追加できます。例えば、架空の案内で使う「イベントの表記ルール.txt」を資料として置けば、チャットでその内容を参照する助けになります。ただし、ファイルの追加可能数はプランにより異なり、アップロード可能でもすべての文章が常に正しく反映される保証はありません。
まずはプロジェクト指示のみで練習し、資料が必要になったときに架空データで追加するのが分かりやすい順序です。共有プロジェクトにする場合は、参加者が資料やチャットにアクセスできる範囲を確認します。実在の顧客や個人の情報はこの練習に使わないでください。
5. 「プロジェクト専用メモリ」と「学習に使わない設定」は別
プロジェクトでは、設定によって会話の参照範囲が異なります。公式ヘルプでは既定のメモリとプロジェクト専用メモリを選べると説明しています。後者では同じプロジェクト内の会話を参照できますが、プロジェクト外の会話や保存済みメモリは参照しません。共有プロジェクトには専用メモリが適用されます。設定変更は反映まで数時間かかる場合があります。
一方、「Improve the model for everyone」(みんなのためにモデルを改善する)は、対象となる会話がモデルの改善に使われるかを管理する別の設定です。OpenAIのデータ設定ヘルプによると、この設定をオフにした後の新しい会話はモデルの学習に使われず、チャット履歴には引き続き残り得ます。メモリをプロジェクト専用にすることだけで、学習利用設定が自動的にオフになるわけではありません。
会社の秘密情報を入力してよいかの判断は、この二つの設定だけではできません。社内規則、契約するプラン、共有先、保存期間を別途確認してください。この記事の練習は架空データだけで完結します。
よくあるつまずきと確認方法
- 別のチャットでルールが効かない:その会話を本当にプロジェクト内で始めたか、指示を保存したか確認します。通常のチャットにはプロジェクト指示は適用されません。
- 以前の話題を参照しない・思わぬ話題に触れる:プロジェクト設定のメモリの種類と、アカウント・ワークスペースのメモリ設定を確認します。専用メモリへの変更直後なら反映に時間がかかることがあります。
- 「未確認」を勝手に埋めてしまう:出力をそのまま送らず、元の依頼と一行ずつ照合します。必要なら「不明な項目は補わない」を指示文の先頭に移します。
- プロジェクト名はあるが毎週自動では動かない:プロジェクトは整理の機能です。新しい依頼を出す手順は残ります。
二つのチャットで、日時・場所・内容の順番、不明情報の扱い、文の長さを確認できたら練習は完了です。実務へ広げるときは、まず架空の情報だけで指示を試し、社内の扱いが決まってから資料追加を検討しましょう。
参考にした公式情報
- OpenAI「Projects in ChatGPT」(2026年9月25日確認)
- OpenAI「Data controls in ChatGPT」(2026年9月25日確認)