Wordで修正前と修正後の文書を比較する方法|変更履歴がないときの差分確認
「少し直しました」と返ってきたWordファイルを開いても、どこが変わったのか分からない。案内文の日付や金額を一文ずつ見比べているうちに、確認に時間がかかってしまう。そんなときは、修正前と修正後のファイルをそろえて比較します。
この記事は、Windowsのデスクトップ版Wordを使う事務担当者向けです。Microsoft 365、Word 2024、Word 2021を対象に、架空の社内案内文で練習します。Web版の画面に同じボタンがある前提では進めません。Mac版は画面や選択肢が異なるため、本稿の対象外とします。
1.比較でできることと、先に用意するもの
比較は、二つの時点で保存された文書の違いを調べる作業です。「変更履歴を記録する」をオンにしていなかった文書でも、修正前のファイルが残っていれば、修正後のファイルとの違いを確認できます。
ただし、比較から分かるのは二つのファイルの差です。誰がいつ変更したかという履歴を後から復元する方法ではありません。例えば締切が10月15日から10月20日に変わっていても、その変更が承認済みかどうかは、担当者に確かめる必要があります。
必要なのは元の文書と修正後の文書です。作業前にそれぞれコピーを作り、練習用フォルダーに保存してください。ファイル名には「修正前」「修正後」を入れると取り違えにくくなります。今回の例では「青空商店_研修案内_修正前.docx」と「青空商店_研修案内_修正後.docx」を使います。青空商店は架空の名称です。
一つのファイルを上書きして元の内容が失われている場合、この手順だけでは比較できません。まず修正前のコピーが残っているか確認します。日付が新しいという理由だけで正しい版と決めず、文書の内容も開いて確かめましょう。
2.練習用の案内文を作る
配布ファイルがなくても、次の短い文章で練習できます。白紙のWord文書を作り、以下の「修正前」を入力して保存します。次に別名で保存したコピーを編集し、「修正後」の内容に変えます。練習では変更履歴の記録をオフにし、履歴のない二つの文書を用意します。
| 項目 | 修正前 | 修正後 |
|---|---|---|
| 題名 | 社内研修のご案内 | 社内研修のご案内 |
| 日時 | 開催日は10月15日です。 | 開催日は10月20日です。 |
| 場所 | 会場は第1会議室です。 | 会場は第2会議室です。 |
| 費用 | 参加費は500円です。 | 参加費は無料です。 |
| 持ち物 | 筆記用具をお持ちください。 | 筆記用具をお持ちください。 |
| 追加の一文 | なし | 開始10分前にお集まりください。 |
「なし」という文字は修正前に入力しません。追加の一文が存在しないという意味です。それ以外は同じ段落順で作ると、最初の練習で差を追いやすくなります。
この練習の正解は、日時・場所・費用の3か所の置き換えと、最後の一文の追加です。題名と持ち物の文章は変わりません。画面に出る変更の件数は、文字単位か単語単位かなどによって分かれる可能性があります。「4件」と表示されるかどうかだけで成功を判定せず、内容を見て確認します。
3.「校閲」から二つのファイルを指定する
両方の練習用文書を保存したら、Wordで開きます。上部の「校閲」タブから「比較」を選び、二つの文書を比較する項目へ進みます。画面の幅によっては、ボタンが小さくまとめられていることがあります。
比較画面の「元の文書」に修正前、「変更された文書」に修正後を指定します。似た名前のファイルが複数ある場合は、保存先も見てください。ここを逆にすると、追加と削除の向きが逆になり、確認の説明が分かりにくくなります。
比較対象の設定では、まず本文の文字の変更を確認する目的で進めます。書式の違いも対象にすると、文字サイズなどの変更が結果に加わります。最初から設定を大量に変えず、何を比較したか分かる状態で実行しましょう。
結果の表示先は「新しい文書」を選びます。元の文書や修正後の文書を結果の表示先にする選択肢もありますが、本稿の練習では使いません。表示先を確認してから「OK」を押します。
ここまでの操作で、比較用の文書が別に作られます。すぐに元のファイルへ上書き保存するのではなく、まず結果の内容を読みます。日本語のボタン名はWordの更新や翻訳で違う場合があるため、見つからないときは比較する二つの文書と表示先を選ぶ画面かどうかを確かめてください。
4.色だけに頼らず、変更内容を読む
比較結果では、追加や削除を示す印が表示されます。色や吹き出しの位置だけを覚えるより、「何が削除され、何が追加されたか」を読むことが大切です。
まず日時の段落を探し、15日が20日に変わったことを確認します。次に第1会議室が第2会議室になったこと、500円が無料になったことを確認します。最後に開始10分前の集合案内が追加されているか読みます。
題名や持ち物まで変わったように見えるときは、余分な空白、改行、書式を変えていないか元の文書も見直しましょう。見た目が似ているから同じ内容だとは限りません。逆に、細かな書式変更が多く出ていても、本文の意味が変わったとは限りません。
結果を見て「正しい修正だ」と判断することと、変更を確定することは別の作業です。練習では比較結果を読むところまでにして、承認や確定の操作を急いで行わないでください。実務では日付、場所、金額を特に重点的に確認すると、読者への影響が大きい変更を見つけやすくなります。
5.元の文書を並べて確認する
比較結果だけでは前後の流れが分かりにくい場合は、二つの元ファイルを開き、「表示」タブの「並べて表示」を使います。必要に応じて同期スクロールを使うと、両方を移動しながら目で確認できます。
並べて表示は目視確認の補助です。自動で差分を付ける比較とは役割が異なります。例えば集合案内の追加が前の段落と矛盾していないか、修正後の案内全体を読み通すときに役立ちます。
小さな画面で左右の文書が読みにくいときは、無理に並べず一つずつ開いて確認してください。今回の短い例なら、日時・場所・費用・追加文の4項目を紙にメモして、修正後の内容を照合するだけでも確認できます。
6.うまくいかないときの確認順
差が出ない場合は、最初に選んだファイルを確認します。同じファイルを両方に選んでいたり、修正後の内容が未保存だったりすると、期待した結果にはなりません。練習用の元ファイルを開き、15日と20日になっているか見ます。
追加と削除が反対に見える場合は、元の文書と変更された文書の指定を見直します。今回なら、修正前の15日から修正後の20日へ変わる向きが正しい設定です。
変更が多すぎる場合は、別の文書を選んでいないか、書式の比較を含めていないか確認します。文章の入れ替えや改行の違いも、結果の読みやすさに影響します。最初は短い例で設定を確かめ、長い文書に進みましょう。
既存の変更履歴に関する確認メッセージが出た場合は、そのまま進める前に止まります。公式説明では、履歴を確定してから比較する場合があります。比較結果の意味が変わるので、本稿の練習とは分け、コピーで既存履歴の内容を確認してください。
比較ボタンが見つからない場合は、Windowsのデスクトップ版Wordか確認します。Web版や別のアプリを開いている可能性があります。機能が見つからない理由を契約の問題と即断せず、アプリ名とバージョンから調べます。
7.保存する前に、正解と元ファイルを確認する
練習の終了時には、日時・場所・費用・追加文が想定どおりに変わり、題名と持ち物は変わっていないことを確認します。また元の二つの文書を開き直し、修正前と修正後の内容がそれぞれ残っているか確かめます。
比較結果を保存する場合は「青空商店_研修案内_比較結果.docx」など、元ファイルと区別できる名前にします。この結果は確認用であり、配布用の完成案内とは分けて扱います。送る前には、相手に必要なのが差分付き文書か、修正後の完成文書か確認しましょう。
二つの文書の比較は、変更の理由や承認まで判断する機能ではありません。変更箇所を見つける作業に使い、その内容が正しいかを人が確かめる流れにすると、短い案内文でも確認の抜けを減らせます。
無料実践ファイル
同じ書式の架空案内文2本です。両方をダウンロードし、元の文書に修正前、変更された文書に修正後を指定して練習してください。
内容・変更履歴が含まれないこと・マクロなしを検査し、LibreOfficeで各1ページの表示を確認しました。Windows版Wordの比較操作、比較結果の保存・再オープンは未検証です。
参考資料と確認環境
公式情報確認:2026年10月2日。対象はWindowsデスクトップ版Word(Microsoft 365、2024、2021)です。操作画面は実機確認前のため掲載していません。