Excelで未入金の請求書を色分けする|支払期限を過ぎた行を見つける方法
今回作る入金管理表 / 手順1:入金状況と支払期限の列を用意する / 手順2:色を付ける範囲を選択する / 手順3:条件付き書式に数式を設定する / 手順4:色付けの対象外になる行も確認する / 条件付き書式がうまく動かないときの確認ポイント / 小さな会社で運用するときの注意点 / まとめ / 公式情報 / 対応バージョン
小さな会社で請求書を発行し、入金状況をExcelで管理していると、支払期限を過ぎても入金されていない請求書に、なかなか気づけないことがあります。件数が増えるほど、一覧を目で追って確認する作業は負担になります。
この記事では、Excelの「条件付き書式」を使って、支払期限を過ぎてもまだ入金されていない行を、自動的に色付けする方法を解説します。数式を1つ設定すれば、入金管理表を開いたときに、確認が必要な行を見つけやすくなります。
条件付き書式は、確認しやすくするための補助機能です。入金の事実そのものを判定したり、請求内容の正しさを保証したりするものではありません。実際の入金確認や請求内容の確認は、この記事の設定とは別に行ってください。
今回作る入金管理表
この記事では、次の列を持つ「入金管理」シートを例にします。
| 列 | 項目 |
|---|---|
| A | 請求日 |
| B | 請求書番号 |
| C | 請求先 |
| D | 請求金額 |
| E | 支払期限 |
| F | 入金状況 |
| G | 入金日 |
| H | 備考 |
F列(入金状況)には「未入金」「入金済」などの文字を入力する運用を想定します。この記事で設定する条件付き書式は、F列が「未入金」で、かつE列(支払期限)が今日より前の日付になっている行を、自動的に色付けする仕組みです。
架空の請求先・請求書番号・金額を使ったサンプルで説明します。実在の会社名や個人名は使いません。
手順1:入金状況と支払期限の列を用意する
まず、表にE列「支払期限」とF列「入金状況」が用意されていることを確認します。
- E列には、請求書ごとの支払期限を、Excelが日付として認識できる値で入力します。文字列として入力すると、この後の数式で日付として正しく比較できない場合があります。表示形式は「日付」にしておくと、入力内容を確認しやすくなります。
- F列には、「未入金」「入金済」など、入金状況を表す文字列を入力します。「未入金」「未収」のように表記が揺れると、この後設定する数式が正しく反応しなくなるため、入力する文字列をあらかじめ統一しておきます。
これらの列がまだない場合は、見出し行に「支払期限」「入金状況」を追加し、既存の請求データに沿って入力します。
手順2:色を付ける範囲を選択する
- 「入金管理」シートを開きます。
- 見出し行を除いた表の範囲、ここでは
A2:H101を選択します。 - 選択範囲の左上のセルが
A2になっていることを確認します。この後の手順で、数式の行番号を選択範囲の先頭行に合わせる必要があるためです。
実際の表の行数が101行より多い、または少ない場合は、選択範囲を実際のデータ範囲に合わせてください。
手順3:条件付き書式に数式を設定する
- リボンの「ホーム」タブを開きます。
- 「条件付き書式」を選び、「新しいルール」を選びます。
- 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選びます。
- 数式の欄に、次の式を入力します。
=AND($E2<>"",$F2="未入金",$E2<TODAY())
- 「書式」ボタンから、薄い赤や薄い黄色など、期限超過であることが分かりやすい塗りつぶし色を設定します。
- 「OK」を選んでルールを保存します。
- 条件付き書式の「ルールの管理」画面で、適用先が
=$A$2:$H$101になっていることを確認します。手順2で選択した範囲と一致していない場合は、適用先を修正します。
数式の考え方
$E2<>"":支払期限が空欄でないことを確認します。空欄の行まで対象にすると、意図しない色付けになるためです。$F2="未入金":入金状況が明示的に「未入金」であることを確認します。入金済みや未入力の行は、支払期限を過ぎていても色付けの対象から外れます。$E2<TODAY():TODAY()は今日の日付に相当するシリアル値を返す関数です。支払期限が今日より前であれば、期限を過ぎていると判断します。
$E2 と $F2 は、列だけを固定し、行は固定していません(複合参照)。これは、選択範囲の先頭行である2行目を基準に数式を作り、Excelが3行目、4行目と自動的に行番号をずらしながら、行ごとに判定できるようにするためです。数式を設定する行番号(この例では2行目)と、適用先の範囲の先頭行がずれていると、色付けの対象がずれるため注意してください。
手順4:色付けの対象外になる行も確認する
設定後は、次の動きになっているかを確認します。
- 支払期限を過ぎていて、入金状況が「未入金」の行:色が付く
- 入金状況を「入金済」に変更した行:支払期限を過ぎていても色が付かない
- 支払期限が空欄の行:色が付かない
- 支払期限が今日より後の行:色が付かない
意図どおりに動かない場合は、E列のセルが実際の日付値になっているか、F列の文字列が数式内の「未入金」と完全に一致しているか(全角・半角の違いや余分な空白がないかなど)を確認します。
条件付き書式がうまく動かないときの確認ポイント
- 適用先の範囲が、表の実際のデータ範囲と一致しているか
- 数式内の行番号が、適用先の先頭行と一致しているか
- E列のセルが、日付に見える文字列ではなく数値としての日付になっているか。空いているセルで
=ISNUMBER(E2)と入力すると確認できる - F列の文字列に、見た目では分かりにくい表記ゆれ(全角スペースなど)が含まれていないか
- 同じ範囲に別の条件付き書式ルールが設定されていないか。書式が重なるときは、ルールの順序や[条件を満たす場合は停止]の設定を確認します。[ホーム]→[条件付き書式]→[ルールの管理]で、適用先とルールの順番を確認します。
小さな会社で運用するときの注意点
- 色付けは、確認が必要な行を見つけやすくする仕組みであり、入金の事実そのものを保証するものではありません。色が付いていない行についても、必要に応じて内容を確認してください。
- 入金状況の文字列(「未入金」「入金済」など)を入力する人によって表記が揺れると、数式が正しく反応しなくなります。入力する文字列をあらかじめ決めておくと、運用しやすくなります。
- 支払期限を過ぎた請求書への対応方法(督促の方法や会計・法務上の判断)は、この記事の範囲外です。自社の方針や専門家に確認してください。
- 表の行数を増やす場合は、条件付き書式の適用先の範囲も合わせて広げる必要があります。
まとめ
この記事では、Excelの条件付き書式を使って、支払期限を過ぎた未入金の請求書を自動的に色付けする方法を紹介しました。数式を1つ設定するだけで、入金管理表を開いたときに、確認が必要な行を見つけやすくなります。
無料の実践ファイルには架空の請求12件を入れ、支払期限超過・期限前・本日期限・入金済・状態未入力・期限未設定を確認できます。期限切れかつ「未入金」の行が赤く表示される設定です。
公式情報
公式情報確認日:2026年9月28日。条件付き書式の数式ルール・適用範囲はMicrosoftの解説、今日の日付を返す関数はTODAYの解説を参照してください。画面名や配置は更新によって変わることがあります。
対応バージョン
本文はWindows版 Excel for Microsoft 365を基準にしています。Microsoft公式ページでは、条件付き書式とTODAY関数の適用先として、Excel for Microsoft 365、Excel 2024、Excel 2021、Excel 2019、Excel 2016が案内されています。Web版には公式ページ内に別手順があります。Mac版の画面操作はこの記事では扱いません。
無料の実践ファイル
未入金の期限超過を色分けするExcel
架空の請求書12件を収録。条件付き書式の適用先はA2:H101です。赤い行と対象外の行を比べ、支払期限や状態を変えて色の変化を確認できます。
Excelの練習ファイルを無料ダウンロード更新:2026年9月28日。修正が必要になった場合は、このリンク先のファイルを更新します。保存済みの日付値と条件付き書式の適用範囲・数式を確認しました。実際の入金はこのファイルでは確認できません。